腰痛 鍼灸

北京堂鍼灸院 新潟市

腰痛について


腰痛の8割以上が筋肉性の腰痛です。筋肉の過緊張が原因で筋肉内の神経や血管を圧迫して痛みを出したり、肉離れのように負荷に耐えきれずに筋繊維にダメージがでて腰痛になります。

 

 

具体的な「腰痛を引き起こす筋肉について」と「当院での腰痛治療」について説明します。

 

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腰痛を起こす筋肉は大きく6つに分けられます。脊柱起立筋(腰背部)多裂筋、脊柱起立筋(下部) 大腰筋 腸骨筋 腰方形筋 中殿筋 棘間筋です。これらの筋肉は初期は単体で腰痛を引き起こしますが、腰痛の期間が長くなるほど近くの筋肉も緊張してしまいます。これらの筋肉が原因の腰痛はよく動きや姿勢、痛む部分などを確認して原因の筋肉を改善させる必要があります。

 

①脊柱起立筋(腰背部)による腰痛

図の赤と緑の合わさった筋肉が脊柱起立筋です。背骨の両側にあり首から背中を通過し仙骨(緑の部分)に着くとても長い筋肉です。背中を伸ばす筋肉で、背中を曲げると伸ばされて痛み、中腰の姿勢では上半身の重さを支えるために緊張し痛みます。腰痛が出るのは背骨の両側の赤い部分で、赤く記した脊柱起立筋(腰背部)を押すと圧痛があり、それで確認ができます。ストレッチは丸まるように背中を曲げると伸びます。当院で行う鍼では背骨の両サイド、中心から2センチのところ(体格により少し変わります。)に鍼を打ちます。高さは胸椎7番から腰椎の5番まで約2センチ間隔ぐらいで打ち、5度くらい背骨側に向け椎弓に鍼先を当てて止めます。これならそれ以上鍼は進まず、肺や内臓を傷つけることはありません。

 

②脊柱起立筋(下部)、多裂筋による腰痛

①の脊柱起立筋の延長上にある筋肉で、腰椎の高さから仙骨の骨膜に付着する部分にかけてある筋肉です。腰痛は背骨の両側下部にある緑のマークがあるあたりが痛みます。立てに着く筋肉で腰を曲げたり、中腰で腰痛が出ます。あぐらでは痛く、正座でいるほうが楽です。筋肉の緊張やダメージなら筋肉の緊張が緩和すれば痛みが治まりますが、筋肉の付着部(骨膜)が炎症している場合は重症度が高くなるので治療回数が数回余計にかかります。鍼治療を行う場合は、①と同じく棘突起の外2センチに刺し5度くらい内に向けて刺入し腰椎の椎弓に当てて止めます。起立筋の下部、多裂筋では骨膜に付着する部分にかけて広くなりますので、腰椎から下は3列にします。起立筋の外縁から椎弓に向けて45度ぐらいで刺入し、腰椎の肋骨突起に当て止めます。内側は棘突起から外1センチぐらいから垂直かやや外に向けて刺入して椎弓に当てます。筋肉の付着部である仙骨の部分でも仙骨に当てて止めますが、仙骨には仙骨孔があり、そこに鍼が入ると足が痺れますので、近くの鍼の深さを指標にしてあきらかに深い場合は刺鍼転向して向きを変えましょう。ストレッチはあぐらの状態から体を前に丸めます。注意!筋肉が温まっていないと伸びずに痛いだけですので、体を十分に温めてからゆっくり時間をかけて行いましょう。

 

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③大腰筋による腰痛(ぎっくり腰)

大腰筋は腰椎椎体の側面から足の付け根にある小転子に着きます。腰の筋肉では一番深く、腸の後方にある為、直接はほとんど触れません。(わき腹から腸をずらしながら触れば多少触れますが、かなり触診しずらい筋肉です。)大腰筋は腰を曲げたり、股関節を屈曲させる筋肉で、傷めると筋肉が伸びないので「腰が伸びない」「腰を伸ばしていると腰痛が出る」「腰(股関節)を曲げていると痛まない」状態の腰痛になります。痛む筋肉が深くにある為、腰の全体や奥に痛みを感じる腰痛になります。左右の痛みはわかることがありますが、表層の筋肉と違いピンポイントで痛む場所はわかりません。なので場所がはっきりしない腰痛は大腰筋が悪いことが多いです。大腰筋への刺鍼は、第四第五腰椎の棘突起間外4センチぐらいに3寸ぐらいの鍼で直刺し、第五腰椎は腸骨稜に指を沿わせて仙骨と交わるくぼみに3寸鍼を直刺します。そして第三まで3寸、第二、第一では2,5寸の鍼で直視します。大腰筋は上が細い扇状に広がるので、刺す位置は上部に向かって鍼を3ミリぐらい内側にします。第三、四,五の高さの外側3センチのところにも腰椎の椎体に向けて斜刺します。鍼先は椎体に当てて止め、腸に鍼先が当たるのを防ぎます。成人男性で3寸、成人女性で2,5寸、太っている人はプラス0,5寸足して鍼を選びます。ストレッチはかなり難しく、アキレス腱を伸ばす姿勢で膝を地面につけて、上半身をまっすぐにしながら股関節を伸ばします。片足ずつ行ったほうが安定しやすく、骨盤の向きも安定します。(この筋肉は鍼治療が最も効率的に改善ができます)

 

 

④腸骨筋による腰痛

腸骨筋は腸骨の前面につき大腰筋と同じく大腿骨の小転子に着く筋です。大腰筋と同じく股関節の屈曲を行い、大腰筋と腸骨筋合わせて腸腰筋とも言います。腰痛は痛む部分がハッキリ解らない、腰を曲げたくなるように感じる腰痛です。大腰筋と比べて痛めることは稀ですが、長期間大腰筋が悪くなっていたり、足を上げる格闘技などで痛めることもあります。大腰筋と同じように痛みを感じたり、腸骨付近に痛みを感じることもあります。腸骨筋の刺鍼は、仰向けで膝枕を使い膝を90度屈曲にした状態で、腸骨の内側に骨を沿わせるように刺します。鍼の長さは5インチぐらいの長さで一番奥にある骨に当たります。ストレッチは大腰筋のストレッチと同じです。

 

 

⑤腰方形筋による腰痛

腰方形筋は第11,12肋骨から腸骨稜に着く筋肉で、体を横に曲げたり、腰をそらすのを支える筋肉です。腰の両サイドに平たく着いているので、腰痛を感じるのは背骨から外8センチから10センチぐらいの外側に痛みを感じます。腰が板のように広く緊張しているように感じる腰痛です。鍼を指す部分は第3腰椎の高さの起立筋の外縁のやや外側に腰方形筋が触れることができるのでそこからベット面に水平に刺し、椎弓に向けて刺入します。必ず10番以上の太めの鍼を使用します。細い鍼だと重力に負けて腸の方へ鍼先が向かいますので、10番以上の太い鍼を使用します。長さは男性なら4インチ、女性や細い方なら3インチでギリギリ届く長さです。腰方形筋のストレッチは座った状態で下半身を固定して体を横に倒して腰方形筋を伸ばします。

 

 

⑥中殿筋による腰痛

中殿筋は腸骨の後面の上部に腸骨稜に沿って始まり、大転子に向かって着きます。股関節の外転動作を行い、立位での体重の支持を行います。中殿筋が原因の腰痛では、臀部のやや横側や腸骨両付近に痛みが出るため、両側の腰が痛む感覚で、腰痛と思って来院します。中殿筋は股関節を曲げると引き伸ばされ、中腰で起立筋の補助になるので、腰の曲げ伸ばしに関係するので腰痛の中に入れています。(それ以外の臀部の筋肉が痛むことがありますが、臀部痛やシビレに感じます。)鍼を指す場合は大転子から腸骨稜にかけて等間隔に刺鍼します。大きい方は4本ずつ、小柄なら3本ずつ刺し、大転子から腸骨稜に向けて扇状に刺してきます。腸骨稜は5センチほど大転子側に寄せて筋肉に当たるようにします。鍼は3インチから4インチを使用し、腸骨に当てて止めます。中殿筋のストレッチは、椅子に座って足を組み、上半身を前屈します。

 

 

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⑦棘間筋が原因の腰痛

棘間筋は腰椎の棘突起の間にあり、腰を伸ばす筋肉の一つですが、かなり細く短い筋肉です。腰を曲げる動作で痛む腰痛で、背骨の中央が痛む場合は棘間筋を痛めてることが多いです。棘間筋を痛める腰痛のきっかけは重い物を運ぶことやスコップ作業のような腰の伸ばし動作に負荷がかかる時に痛めます。鍼は痛めてる棘間筋を圧痛で確認して、そこに寸ぐらいの長さで刺鍼します。細かい筋肉で少ない数だと当たりずらいので、痛む部分に密集して刺します。棘間筋のストレッチは前屈動作です。

 

 

 

 

それ以外が原因の腰痛

 

①骨折が原因の腰痛
高齢だと圧迫骨折、60歳以下なら交通事故等の外傷が原因で起こります。交通事故では事故後にレントゲンやMRIを撮りますので見落としはありませんが、高齢者の圧迫骨折は良く起こります。特に女性は高齢になると骨密度が低くなるため、くしゃみや軽い尻もちで椎体部分が潰れることがあります。腰の真ん中が痛む場合は背骨を叩いてズキンと痛むなら病院でレントゲンを撮りましょう。
 

②椎間板ヘルニアが原因の腰痛

60代以下で多く腰を一定以上に曲げると強く痛んだり、足に電気が流れるように痺れます。腰を伸ばしていると痛まず、病院ではよくこの診断をされますが、レントゲン、MRI画像上で神経を圧迫されていても無症状のことが多く、筋肉性の腰痛でも同じ痛み方をするので、筋肉性の腰痛治療で改善は十分あります。あきらめる前に筋肉性の腰痛治療を行い、改善があれば筋肉性の腰痛と考えてよいでしょう。(ヘルニアが原因の場合は痛みがいきなり出ます。同時に失禁や脱糞が起こるようならすぐに病院に行きましょう。脊髄が圧迫されている可能性がありますので手術になるでしょう。)

 

③脊柱管狭窄症が原因の腰痛

脊柱管狭窄症は脊椎、椎間板、黄色靭帯、腰椎椎間関節の加齢による変成や変形で起こる腰痛や下肢の痺れです。椎間関節が変形して腰の神経を圧迫すると腰痛に、馬尾神経を圧迫した場合は下肢に痺れや感覚障害が起こります。特徴に間欠性跛行という歩いていると下肢が痺れて長く歩けないという症状があります。レントゲンでは判断が難しく、MRIでの診断が一般的です。診断が難しく、画像で神経が圧迫されているように見えて、実際は脊柱管狭窄症で無いこともあります。筋肉性の神経の圧迫でも同様の症状は良く起こり、その場合は鍼で改善します。当院に来院した患者さんで脊柱管狭窄症の診断を受けていて、試しに鍼を行い改善することはよくあります。これは画像では骨の変形に見えても、実際には骨で圧迫を受けていないのです。このように診断が出ていてもあきらめずに鍼を試す方が良いでしょう。