テニス肘 (内側上顆炎 外側上顆炎)

テニス肘(内側上顆炎、外側上顆炎)とは?

テニス肘とは前腕の筋肉が反復的な疲労で筋緊張が強くなり、筋肉の付着する骨膜が引っ張られて炎症を起こす症状のことを言います。わかりにくいですよね?順序建てで説明していきましょう。

  1. 正常な状態は柔らかいゴムのように筋肉の柔軟性があり、負荷がかかったり筋肉の収縮が起きても痛みや炎症は起きない。
  2. 反復的や持続的な筋収縮で筋疲労が起きる。筋疲労が繰り返されたり、トレーニング(筋疲労)後のケアが足りないと、筋肉の緊張が取れなくなり柔軟性が低下する。
  3. 柔軟性の少ない硬い筋肉はボールを打つときの衝撃やラケットを握る時の筋肉の収縮が肘の骨膜を引っ張る。
  4. 繰り返される骨膜への刺激が炎症を起こします。一時的な炎症なら2,3日で治まりますが、筋肉の緊張状態が続くことで炎症が治まらず、常に痛みが続くことになります。

*スポーツでなく仕事などでテニス肘になる人は、前腕の筋肉の使い過ぎによる骨膜炎症です。握ったり持ったりなどの手仕事が多く、完全に腕の使い過ぎとケア不足から起こるものです。怪我より腱鞘炎に近いですね。

*写真は外側上顆炎の筋肉と痛みやすい部分

このような経過をたどってテニス肘(内側上顆炎、外側上顆炎)が起こるのです。内側上顆炎、外側上顆炎と記載していますが、テニス肘は2種類に分けられます。フォアハンドで痛めるのが、前腕屈筋群の緊張で内側上顆を痛めます。肘の内側に痛みが出るテニス肘です。バックハンドで痛めるのが肘の外側にある外側上顆です。外側上顆炎は前腕の伸筋群の筋緊張で痛めます。

一般的なテニス肘の対策は、前腕屈伸筋のストレッチとエルボーバンドと言われるサポーターです。エルボーバンドは前腕の筋肉を締め付けることで骨膜への引っ張りを軽減させて痛みを減らすものです。どちらも軽症なら有効的なのですが、根本的な原因である前腕屈伸筋の筋緊張は変わらないので、その場をしのげても改善にはなりません。根本的にテニス肘を改善させるには、前腕の筋緊張をゆるめて、柔軟性を取り戻し、骨膜の炎症が無くなることで痛みのない状態に改善します。

私がおすすめするのは、鍼施術と温熱療法です。

筋肉が緊張したままになるのは、筋肉内のATP(エネルギー)が低下してしまうことが原因です。ATPは筋収縮を繰り返すと減少します。

  1. 繰り返し同じ筋肉を使う姿勢や作業、トレーニングでATPが減少して筋緊張が強くなります。
  2. 筋緊張が強い状態が続くことで、毛細血管が圧迫されて血液循環が悪くなりATPが筋肉内に減少した状態が続きます。
  3. 常に緊張状態の筋肉は、両端の骨膜を引っ張り炎症を起こします。

簡単に言えば、筋肉内の血管を拡張させれば血液に乗ってATPが運ばれてきますので、筋肉は緩むことが出来るのです。その方法が鍼施術と温熱療法です。ストレッチとマッサージも軽症なら有効ではありますが、軽症の改善か状態の維持程度になるでしょう。鍼施術は直接緊張が強くなった筋肉に刺鍼することで筋緊張を緩めます。温熱療法は時間をかけて前腕の筋肉を温めることで血管拡張を促します。温熱療法は効果は弱いですが手軽で毎日できます。ストレッチと併用するとさらに効果的です。鍼施術は鍼を刺す行為が他より刺激的ですが、効果効率は一番だと思います。特に表面の筋肉だけでなく、奥にある筋肉なども改善できることがメリットです。

北京堂鍼灸院での鍼施術

当院では効果効率を重視する為、緊張が強くなった筋肉を触知して刺鍼し、赤外線による温熱療法を加えて施術します。主に刺鍼するのは前腕の屈伸筋、内外側上顆の骨膜付近に刺鍼することで、筋緊張の緩和と炎症の改善をしていきます。症状が出たり出なかったりしているようなら、数回繰り返せば改善していきます。常に痛い状態の方は、一時的に前腕の使用を止めないと改善しません。いくら鍼施術で筋肉を緩めても、負荷が繰り返されればもとに戻ったてしまいます。出来れば一時的に腕をつかったトレーニングを中止して、骨膜の炎症が治まるまで一気に鍼施術で改善させるのがいいでしょう。それが最も効果的であると私は考えます。(骨膜の炎症には超音波治療器も有効です。併用しても良いでしょう。)