五十肩 四十肩 肩の痛み

五十肩(四十肩)は診断名で言えば肩関節周囲炎とまとめられますが、細かく分類することが出来ます。その原因に応じて対処が変わりますので、自分の症状に合った施術を選択してください。 五十肩の原因は 、大きくは筋肉性と非筋肉性に分かれます。五十肩のほとんどは筋肉性になりますのでそちらから説明します。*肩を打ち付ける等の外傷がきっかけで痛みが出た場合は、骨折や靭帯断裂があるかもしれませんので、一度レントゲンでの撮影をおすすめします。薬の処方が痛み止めのみなら筋肉性の可能性が大きく、装具等で固定するようでしたら骨折などの説明を受けるはずです。

五十肩の筋図 ①↓

五十肩の筋図 ②↓

五十肩の刺鍼位置 ③↓

五十肩の痛みの原因になる筋肉は、①頸背中 ②棘上筋 ③棘下筋 ④肩甲下筋 ⑤三角筋 ⑥烏口腕筋 です。その他の筋肉でも痛みは出ますが、①から⑥以外は肩こりや背中の痛み、脇の下の痛みに感じます。 動きや痛む場所で五十肩の原因の筋肉がわかるので、筋肉の説明とストレッチの仕方、当院での鍼灸について説明します。筋肉が原因の五十肩の説明の後に筋肉以外が原因の五十肩について説明します。

 

五十肩の原因(筋肉)

①首背中(五十肩の夜間痛)

五十肩なのになぜ首背中?と思うでしょうが、首の筋肉の間を通過して肩腕に神経は至ります。頸の筋肉が悪くなると、神経を圧迫して肩や腕に痛みや痺れを出すことがあります。特徴的な症状が五十肩の夜間痛です。夜間痛は「夜に首や肩の筋肉が冷やされたり」、「睡眠時の筋肉内の血液流入量低下」が原因で筋肉の緊張が高まり、夜中や明け方に痛みが増すのです。首や上背部の筋肉が改善されてないとそれ以外の肩の筋肉を良くしても2,3日で元に戻ります。これでは根本的な改善になりませんので、軽症ならいいですが夜間痛が出るレベルで悪化している場合は首背中の改善は必要です。

首背中の筋肉のストレッチは首を前後左右に倒すストレッチです。痛くない程度でゆっくり時間をかけて行います。ストレッチを行う前によく首周りの筋肉を温めて行うと効果的です。朝の筋肉が冷えた状態では筋肉が伸びず、強くやりすぎて痛めることがありますので出来るだけ温めて行ってください。(ほかの筋肉でも同じ) 当院の五十肩の鍼灸(首背中)では、3番目の図にある黒い点の位置が刺鍼位置になります。特に頸椎と第1~3胸椎の脊際の部分です。この部分が特に緊張が強くなりますので、鈍痛も強いですが、ゆっくり刺鍼すれば痛みも少ないです。首の上の部分は頭が近く怖いと思う方も多いですが、ベット面に垂直よりやや足側に向けて刺鍼することで頸椎に当たるので危険なことはありません。五十肩の夜間痛と効率的改善には首背中が必要になるのです。

②棘上筋が原因の五十肩

棘上筋は肩甲骨の棘上窩から肩峰の下を通り大結節に付着します。肩の外転動作を行い、腕を下した状態から外側に腕を上げようとする初動作に痛みが出ます。肩以上に腕が上がると三角筋の動きになるので、外転30~45度で負荷をかけて痛むなら棘上筋を痛めてます。ただし、この動作では棘下筋でも痛むので棘下筋の確認も併せて行いましょう。それ以外には棘上窩を押して棘上筋の圧痛を確認します。鈍い痛みや鋭い痛みがあれば痛めているでしょう。  棘上筋のストレッチは痛めている方の腕を逆側に水平に伸ばし、反対側の肘の内側で挟み引きます。 五十肩の鍼灸(棘上筋)は棘上窩から肩峰の下を通過して大結節に向けて刺鍼します。3番目の図の赤い点から線に沿って10番以上2,5寸から3寸の鍼で刺します。鍼先のコントロールを安定させるために細い鍼は使わないのです。

③棘下筋が原因の五十肩

棘下筋は棘下窩から大結節に着く筋肉で、棘上筋とほぼ同じようにつきますが、付着する位置がやや後ろに着くため、痛む位置が肩関節のやや後ろに感じ、外転外旋動作を行います。確認動作は①の棘上筋と同じですが、親指を内側に向けて外転するとより棘下筋に負荷がかかり解りやすいでしょう。圧痛は棘下窩に出ます。棘下筋は奥が骨なので圧が分散せず解りやすいので参考にしてください。  棘下筋のストレッチは棘上筋と同じです。 五十肩の鍼施術(棘下筋)は肩甲骨の棘下窩に等間隔に刺鍼します。(図3の緑の点)寸6から2寸の鍼を斜刺で刺し、肩甲骨に当てます。筋肉が平たく広いので、少ないと改善しにくいので必ず全体に鍼を打ちます。

④肩甲下筋が原因の五十肩

肩甲下筋は肩甲骨の前面から小結節に着く筋で、上腕の内旋を行います。肩甲下筋を痛めるとバンザイをするような外転外旋をすると肩の前側に痛みが出てきます。「肩が上がらない」状態はこの筋肉を傷めていることが多く、「頭が触れない」「頭まで腕が上がらない」と言って来院します。筋肉自体が肩甲骨と肋骨に挟まれている位置にあり、マッサージや整体お灸などでは直接治すことが出来ないため、鍼が一番有効になります。 肩甲下筋のストレッチは軽症ならバンザイの状態で壁に手のひらを当てて、肩を前に出すようにして伸ばします。痛みが強い場合は、テーブルに手のひらをのせて、膝を曲げて体を沈めます。肩の力を抜いて痛くない範囲で繰り返します。 五十肩の鍼施術(肩甲下筋)はうつ伏せで出来るだけ肩を上げた状態にします。2.5寸から3寸、10番の鍼を関節下結節の足側に刺鍼します。出来るだけ骨ギリギリに打ち、ベット面に垂直に刺します。刺入すると硬い筋肉に当たるのでそこで止めます。それを3本足側にずらしながら刺します。肩甲下筋に関しては鍼がさせる範囲が狭く、悪化すると改善に回数がかかることが多いですので、可動域制限が出る前に鍼をすることをお勧めします。

⑤三角筋が原因の五十肩

三角筋は肩甲棘から肩、鎖骨の外3分の1から上腕骨にかけて着く大きな筋肉です。動きは前方挙上、外転、後方挙上、内旋外旋のすべての動きに対応します。ほかの筋肉の付着部を覆うように存在する筋肉なので痛む場所が他と似て前横後ろのどの位置でも痛みが出るので動きや痛む場所では判別しずらいのです。ただし、三角筋は圧痛で痛めているかがわかります。腕を台に乗せたような力を抜いた状態で、筋複を押して確認します。前横後ろで痛む部分があれば、その筋繊維が痛めてます。あと90度の外転で負荷をかけて痛む場合も三角筋です。  三角筋のストレッチは、棘上筋のストレッチで後面の筋が伸び、腕を後ろに伸ばす動きで前面が伸びます。 五十肩の鍼灸施術(三角筋)は前後横に3本づつ刺鍼し、上腕骨をかすめるように外側を通過させます。表面の筋肉より骨に近い方が緊張が高いので硬い筋肉に当たるように刺鍼転向させます。前側はベット面にほぼ水平になりますので鍼先は体幹に向けないようにして気胸を防ぎます。8番以上の鍼で鍼先のコントロールができる太さにします。

⑥烏口腕筋が原因の五十肩

烏口腕筋は烏口突起から上腕骨体に着く短い筋肉で、肩関節の前方屈曲を行います。烏口腕筋を痛めると前方から腕を上げる際に痛んだり、腕を後ろに伸ばそうとすると引き伸ばされて痛みます。痛む場所は、肩の前側が痛みます。 烏口腕筋のストレッチは腕を後方にひく動きです。三角筋の前面のストレッチと同じです。 五十肩の鍼灸施術(烏口腕筋)は仰向けで肩を90度に外転させて、烏口突起を触知して筋複の内側から上腕骨前面をこするように刺鍼します。肩に近い部分は筋が厚いので3インチぐらいの長さが必要になります。 

筋肉性以外の五十肩
筋肉性以外の五十肩には肩関節の石灰沈着、上腕二頭筋の長頭腱炎と外傷性、筋断裂性の五十肩症状、変形性肩関節症が原因で五十肩が起こります。 石灰化が原因の五十肩では、夜間に突然生じる痛みが特徴で(筋肉が原因の五十肩だとじわじわ強くなる)、痛みで運動制限が出ます。40~50代の女性に多く、リン酸カルシウム結晶が腱板内にたまり固まっていく事により痛みます。レントゲンで白く石灰部分が確認でき、注射で吸引してリン酸カルシウムを抜き、副腎皮質ホルモンと局所麻酔薬を注射することで改善します。 上腕二頭筋の長頭が原因の五十肩では、肩の外転と前方屈曲で痛みが出ますが、肘関節の屈曲でも痛みが再現されます。主に肩関節部の結節間溝で炎症が起こり痛みますが、高齢だと長頭が断裂する場合があります。上腕の内側の筋肉が左右でふくらみの形が違えば断裂の可能性は高いです。長頭が切れても手術は稀で短頭があるので肘の動きはできます。(切れていなければ鍼灸の適応です)  腱板断裂が原因の五十肩は、上部で説明した「棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋」が負荷に耐えきれずに断裂した状態です。ほとんど保存療法で改善を図り、手術はまれです。  変形が原因の五十肩は、肩関節の骨、軟骨が変形して関節の動きを阻害して、骨同士が当たるところに痛みが出ます。五十肩ですが、より高齢で多く発生します。

五十肩の予防
五十肩は症状が出てしまったらしっかり治さなければなりません。中途半端な状態だと元に戻ることが多く、結果的に時間とお金が無駄にかかるからです。 五十肩の改善後もそうですが、五十肩にならないように、症状がある時は悪くならないように生活を見直す必要があります。最低限の注意を確認してください。

①お酒を控える。 筋肉を痛めた五十肩では、夜間のお酒で筋肉の血液循環が悪くなり悪化することがあります。痛みがあるうちは控えた方が早く良くなります。

②同じ姿勢を長時間続けない デスクワークやスマホ操作などで下を向いた状態を長時間続けると、首肩の筋肉が疲労から緊張して悪化したりします。長い時間同じ姿勢なら30分毎でも姿勢を変えたり、背伸びや頸肩を動かすようにしましょう。

③頸肩を冷やさない 冬は特にそうですが、夏も冷房で悪化させる人はいます。布団が首や肩の上の部分にかからないので、夜間に冷やされて筋緊張が増して、五十肩の痛みや夜間痛の原因になります。

最新鋭の鍼灸
北京堂(新潟)の鍼灸はインナーマッスルに直接アプローチが出来る、最新鋭の鍼灸です。  五十肩の原因である深部筋(インナーマッスル)をしっかり緩めたり、伸び縮みが出来るようにな筋肉にすれば痛みも可動域の制限も無くなります。これを可能にするのが北京堂式の鍼灸です。  特徴はマッサージやカイロ、整体などの体表に近い部分しかアプローチ出来ない施術とは違い、インナーマッスルのような深い筋肉に直接鍼を届かせて、筋肉を緩めることが出来ます。  直接アプローチ出来る為、反応も大きく、他と比べても短い期間、少ない回数が期待できるでしょう。