腸骨筋による痛み痺れ

このページは症状ではなく、痛み痺れの原因になる腸骨筋に焦点を当てたページです。

腸骨筋は腸骨窩(骨盤の骨も前面)から小転子にかけて付着する筋肉です。主に股関節の屈曲、外旋に作用し、大腿神経に支配されます。腸骨筋は大腰筋とまとめて腸腰筋とされますが、大腰筋単独や腸骨筋単独で痛める事もあります。大腰筋単独はギックリ腰です。大腰筋の痙攣で股関節が伸ばせなくなり、腰が痛くて立てないという表現になります。腸骨筋単独は足を上げるスポーツで起こります。前に来たキックボクシングの選手は、サンドバックを蹴った際に股関節に痛みが走り、足を上げようとすると痛みが股関節に出て上がらなくなりました。腰には痛みなく立ったり伸ばしたりもできました。これらでわかるのは大腰筋は腰を含めた股関節の屈曲に影響があり、腸骨筋は腰を含めない股関節の屈曲に影響します。

ただし、わかりずらく例外が多いのが腸骨筋です。大腰筋と腸骨筋は同じ位置に付着するほぼ同じ動きの筋肉なので、片方が緊張している状態が続くと、もう片方も異常な緊張状態になります。その為、長期間大腰筋が過緊張になっていた場合、腸骨筋まで過緊張になっていることが多いのです。この場合は、大腰筋だけ鍼をしても改善しません。腸骨筋も刺鍼します。ですが、腰が痛いのになぜ前に刺すんだ?と感じる患者さんも多く、必ず腸骨筋についての説明が必要になります。

腸骨筋が起こすのは腰臀部の痛みだけではありません。足の神経痛(痺れ、痛み)の原因にもなります。足に向かう神経はほとんどが、腰椎か仙椎から出て大腰筋と腸骨筋の間を進み臀部や足に進みます。その為、大腰筋でも腸骨筋の緊張でも神経が圧迫され、足の神経痛が起こることがあります。圧迫する神経も多く、大腿神経、外側大腿皮神経、坐骨神経など複数の神経痛を起こすことがあります。当院でも明らかに腸骨筋が原因と思われる場合以外は、大腰筋や梨状筋などの背面側を重視します。それでも改善が見られない場合は、腸骨筋に刺鍼して変化改善を確認します。

腸骨筋の刺鍼

腸骨筋の刺鍼は、仰向けになり膝を曲げて三角枕を入れて、腹筋が緩んでいる状態をつくります。そして上前腸骨棘の内側から仙骨に向けて、腸骨窩に沿わせるように刺鍼します。鍼は3寸~4寸、10番の鍼を使用します。腸骨筋は腸骨にベタッと平たくつく筋肉なので、常に骨に付着する硬い筋肉を通過しますので、筋肉に当たった時から刺さっている間はズーンとした感覚が強く出ます。腸骨筋が原因の症状がある人は、刺鍼すると股関節や臀部の普段痛む部分や痺れている部分に、鈍い痛みや重だるいような感覚が出ます。これは症状の再現です。原因の筋肉に刺鍼すると良く起こります。

腸骨筋が刺鍼出来る鍼灸院は、私が知る限り「北京堂鍼灸院」関係の鍼灸院だけです。一般的な鍼灸院では行っておりません。なぜか?教えれる人がいません。私たちも師「浅野周」に直接指導してもらうことで出来るようになりました。腸骨筋は体表にある筋肉ではないので、知識だけでは難しく、腸骨筋に刺鍼出来る鍼灸師に直接「どの位置から、どのように向けて、どこまで刺すか、刺鍼時の手の感覚、注意しなければいけないこと」など詳しく、繰り返し教わることで出来るようになります。現在、日本全国に北京堂鍼灸関係の鍼灸院や鍼灸整骨院が増えてきていますので、土地名と北京堂鍼灸を合わせて検索すると出てくることがあります。刺鍼後は動き回らない方が良いので、お家から近い鍼灸院で施術してください。