鍼灸 施術例

60代 男性 運送業 両足の痺れ

4,5年前から両足の痺れがある。痺れは出たり治まったりを繰り返す。去年の秋から痺れが強くなり、尾骨あたりから両腿裏にかけて痺れ、朝はふくらはぎまで痺れる。歩行時、立位時に痺れあり 座位では無し 他の鍼灸院に通ったが、良くならなかった。現在は病院でトラムセットと漢方の牛車腎気丸を出されている。前の鍼灸院では長い鍼の用意がなく、長い鍼を使用している鍼灸院を探していた。

両下肢の痺れ(坐骨神経痛)(男性 60代 運送業)

来院時の状態痺れは尾骨から腿裏ふくらはぎにかけてあり、左の足の方が強い。座位から立位になる際に痺れが強く。股関節の屈曲位では痺れ出ない。臀部や左腿裏は筋緊張が強く、圧痛もある。症状は常に一定ではなく、仕事後が強く出る。
鑑別、説明痺れの強さが一定でないことから関節(骨の変形)が原因ではなく、痺れの出かたから大腰筋、腸骨筋が主に神経を圧迫していると思われる。症状が出始めて期間がたっている為、臀部やハムストリングスの筋肉の緊張もある。これらの筋肉に刺鍼して、坐骨神経(坐骨神経の一部のみ圧迫されている)の圧迫を改善させる施術をしていくことを説明。症状の出ている期間が長いので予想回数は立てられないことを伝える。
鍼施術(1回目)
起立筋、大腰筋、梨状筋、小殿筋、双子筋、左のみハムストリングスに刺鍼。置鍼後、抜鍼。
鍼施術(2回目)
一回目の施術後、痺れは軽減した。2回目も同様の施術。
3回目は上向きで腸骨筋を刺鍼することを伝える。
鍼施術(3回目)
2回目の施術後、ふくらはぎの痺れは出なくなり、腿裏も6割ぐらいまで減る。
3回目は上向きで腸骨筋、小殿筋に刺鍼。置鍼中に痺れがなくなる。抜鍼。
鍼施術(4~10回目)
改善してきていることから、しばらく交互に繰り返すことを説明。
5回目の時点で痺れの強さは半分になった。
10回目の時点で痺れはなく違和感がたまに出る程度まで改善。
鍼施術(11~13回目)
経過観察、再発防止の為に月に1回来院、2ヶ月間症状の出ない状態が続く。13回目で問題なさそうなので終了。

坐骨神経痛は坐骨神経の圧迫による痛み、痺れ、感覚鈍麻の総称です。圧迫の原因に骨(関節)、椎間板、筋肉がありますが、一番多く起こるのが筋肉性の坐骨神経痛です。筋肉が過剰に緊張して神経を圧迫します。主に大腰筋、腸骨筋、梨状筋、ハムストリングスで圧迫されることが多く、これらの筋肉を中心に刺鍼していきます。骨(関節)が神経を圧迫している場合、常に一定の症状になります。骨が体温や気温の変化で柔らかくなったりしないからです。痛み、痺れが日毎や時間ごとに強くなったり弱くなったりするようなら筋肉性か椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛です。椎間板ヘルニアの特徴は腰の前屈で起こることと、朝方に強くなる傾向があります。朝方は椎間板がむくむため強くなりやすいようです。(これに関しては筋肉性でも夜中、朝方に強くなることが多いのであまり参考にしないでください。)

今回の鍼灸施術例は、初期の状態がわかりませんが、痺れが長く続いた為に坐骨神経の走行上の筋肉全てが緊張してしまった事と、腸骨筋や大腰筋が特に悪かったことから、どこに行っても改善しなかったのです。この二つの筋肉は、ほとんどの鍼灸院や整体院で施術することが出来ません。位置的に深部にある筋肉でそこに安全に刺鍼する技術や道具を持つ鍼灸師が少ないことが大きな原因です。腸骨筋、大腰筋が痺れや痛みの原因になることは少なくありません。北京堂関連の鍼灸院ではほとんどできると思います。どこに行っても改善しない方は試してみることをお勧めします。