膝の痛み

膝の痛みはいろいろな原因で起こり、判断が難しい症状の一つです。しかし、ひとつずつ確認していけば原因ははっきりしますので、膝の痛む部分、動きをよく観察してみてください。北京堂鍼灸院では膝の痛みには鍼での施術が有効的なので基本的に鍼施術を中心行います。

膝の痛みの原因

膝の痛みの原因は7つに分かれます。骨、骨膜、軟骨、靭帯、筋肉、腱、脂肪体です。膝のどのあたりに痛みが出るか、関節内に出血や水が溜まっているか、どの動きで痛みがでるかなどで絞り込めていきます。

膝の痛む位置 図の丸く囲んだ部分に痛みが出る場合と、痛みの位置がはっきりしない場合があります。表層に原因がある場合は痛みの位置がわかるのですが、関節内や膝裏、膝蓋骨下に原因がある場合は痛む位置がはっきりわかりませんので、圧痛やテスト法を用いて膝の痛みの原因を探します。痛む位置がの場合は外側側副靭帯を、は内側側副靭帯を、オレンジは鵞足炎を、は変形性膝関節症と脂肪体、半月板、十字靭帯、膝裏の筋肉、の損傷を疑います。  痛みがはっきりしない場合は、の位置の症状とふくらはぎや神経痛による膝の痛みが考えられます。膝の痛みに関しては痛む位置を、脳がうまく認識できないようで、膝裏の痛みを前に感じたりすることがあります。

膝の痛みの原因と鍼灸施術 

鵞足炎(骨膜) オレンジの位置に着く筋肉による持続的な緊張により、骨膜が引っ張られて炎症を起こした状態です。ガニ股で歩くことでよく起こるので、50代以上でよく起こります。鍼灸施術では骨膜を引っ張る半腱様筋、薄筋、縫工筋と炎症がある鵞足部に刺鍼することで、筋腱の緊張と骨膜の炎症をやわらげ改善させます。

内側側副靭帯 緑の位置に出る膝の痛みは内側側副靭帯という内側を支える靭帯の損傷で起こります。膝を外から内に押し込まれるような外力や膝下を外側に引っ張られるような外力による靭帯損傷です。バスケットやラグビーなどのスポーツで起こります。鍼灸施術は内側側副靭帯の損傷している位置を確認して、そこに密に刺鍼します。刺鍼した靭帯は修復が起こるので数回繰り返して改善させます。靭帯は筋肉と比べて血管が少なく、修復も弱いので筋肉より回数がかかります。靭帯が完全に断裂している場合は鍼灸の適用外です。手術での治療になるでしょう。

外側側副靭帯 青い位置に出る膝の痛みは、外側側副靭帯という外側を支える靭帯の損傷で起こります。膝を内側から押し込まれるような外力で痛めます。内側の靭帯と比べて痛めることが稀です。事故や怪我で痛めます。位置的に腸脛靭帯炎で出る痛みに近いのですが、圧痛の位置をよく確認すれば鑑別できます。鍼灸施術は内側側副靭帯と同様です。

膝窩筋 足底筋 腓腹筋 膝の痛みでは比較的多いのが筋肉性の膝痛です。痛みは前にも奥にも感じ、痛む位置をハッキリ認識しずらいです。膝窩筋と足底筋は膝の後ろにある小さな筋肉で、腓腹筋はふくらはぎの筋肉です。これらの筋肉は何らかの原因で過緊張を起こし、負荷や伸ばされることで痛みを出します。確認するには、膝の後ろにあるコリコリした筋肉を軽く押して痛むようなら悪くなっています。腓腹筋も同じで、ふくらはぎを押したり掴んでみて痛むようなら悪くなっています。軽めのマッサージで膝の痛みが軽減することも多いので、試してみてください。鍼灸施術は膝裏の両筋肉とふくらはぎに刺鍼して筋緊張をやわげ改善させます。

脂肪体 膝の皿の奥に痛みを感じるのが、膝蓋骨の下にある脂肪体です。これはクッションのような脂肪組織で、膝蓋骨の摩擦やぶつかりを軽減させていると考えられます。主に曲げ伸ばしのみで痛みが出ます。鍼灸施術は膝蓋骨の下に密に刺鍼することで脂肪体の改善を促します。

骨 関節 膝関節内に痛みを感じる、病院でよく診断される膝の痛みです。変形性膝関節症と診断され、加齢による膝の軟骨がすり減り、骨がぶつかり膝に痛みを出しているというものです。関節内の炎症が起こるので膝の関節内に水がたまり、同じ動きで毎回痛みが出ます。O脚になりやすい高齢の女性に多く見られ、特に肥満の場合は膝にかかる負担が大きくなるので起こりやすいです。高齢の方や膝の怪我の既往がある方以外の人は、変形性膝関節症の診断が出ても他の原因を疑った方が良いです。たまに40代50代でも変形や骨棘が原因だと診断されていますが、ほぼ筋肉性や靭帯の鍼灸施術で改善します。診断が難しく誤診も多く起こる症状なのです。関節自体に傷や変形が起きているようなら鍼灸施術は適用外です。鍼では痛み止めにはなりますが、根本的な改善にはなりません。

半月板 骨と同じく加齢による膝の痛みの原因になりますが、スポーツなどでも痛めます。膝がこきこき鳴ったり、引っ掛かりが出る場合は、半月板の表面に傷やヒダが出来ている場合が多く、内視鏡などで原因を取り除く手術をすることが多いです。患部が関節内にある為、鍼灸施術は適用外です。

前十字靭帯 後十字靭帯 関節内にある膝が前後に移動しないように固定する靭帯です。スポーツによる外力で損傷することが多く、加齢で痛めることはないです。脛骨を押したり引いたりすると動いたり痛むので、すぐにわかります。これも完全に断裂していればオペで再腱手術が必要になります。これも関節内に原因がある為、鍼灸施術は適応外です。

その他の膝の痛み 膝の痛みの中には、「膝全体が痛む」「じっとしていてもズキズキ、ピリピリ痛む」などの症状の方がいます。これは神経痛による膝の痛みです。主に大腿神経か外側大腿皮神経が腰部か股関節部で神経が圧迫されると起こります。この場合は腰股関節に刺鍼することで改善されます。*例外として怪我したばかりの時は膝関節内外に炎症があるので、じっとしていても痛みが出ます。